27MU67-B で 4K 環境を構築した
ほとんど衝動買いに近いのですが、自分の中での4K熱がこれ以上無いぐらいになってきたので、発売されたばかりの27MU67-Bを購入してみました。
ファーストインプレッション
なんだかんだで、世界中の液晶パネルの何割かを閉めているLG社の液晶だけ合って、もう、それなりのパネル品質は確保されているように見えます。発色は綺麗です。YouTubeで4Kの動画とか見ると、解像感と共に、奥行きの感じが以前の液晶よりも強く感じられるようになったような気がします。最初、画像を見て、少し涙が出そうになりました。眩しすぎるせいでしたが。
まぁ、いずれにしてもLEDバックライトは明るすぎます。さらに、デフォルトでは、コントラストも高すぎる印象がありました。
いろいろと試行錯誤した末、明るさ15、コントラスト60ぐらいで良い感じになりました。
そして、この辺りの設定をするためのボタンが、おそらく静電式のタッチボタンで、手探りで文字の書かれた部分の液晶のフレームを下から支える感じで押さえるように操作します。
凄く使いにくいです。一度設定を終えたら二度度触りたくないぐらいです。そして、入力切り替えも深いメニュー構造を辿らないと行けなくて、金輪際、入力切り替えすらしたくないという感じです。複数のマシンで液晶を切り替えるつもりなら、多少コストを払ってでも、こっちじゃなくて、DELLの奴とかを購入することを考えた方が良いでしょう。
画質など
上にも書いた通り、発色に関しては申し分有りません。sRGB 99%は検証していませんが、まぁ、本当でしょう。パネル自体は10bit(8bit+FRC)と有るので、擬似的ながらover 8bitを実現できてはいるようです。その割には、パネルの上下左右でかなり色むらが変化しているような感じで、これはバックライトのばらつきなのかも知れませんが、本気で10bitを謳うのであれば、むら補正は是非とも欲しいところですが、この価格帯の液晶にそこまで要求するのは無茶ですね。
あと、個人的な感想ではあるのですが、若干のギラツキは感じます。白一色の画面などでは気になる人もいるのではないでしょうか。
まぁ、昔の目潰し暗黒(韓国)液晶時代に比べれば、なんと言うことはありませんが、かといって、数年前の日本製液晶のクオリティに追いついているかというと、表面加工という意味ではまだまだな部分があるのは否めません。
ドット欠け
完全に個体差なので言ってもしょうがないのですが、僕の奴にはドット欠けがありました。とはいえ、ハッキリ言って、普段はまるで気になりません。場所が良かったというのもありますが、初見でこれが発見できる人はそうそういない気がします。なので、これに関しては別にどうでもというレベルではあります。
4K 60Hz 環境を実現 with GeForce GTX 960
正直、4K 60Hzの環境を実現するには、グラフィックカードも比較的新しい物が必要です。
古いグラフィックカードでも、4K 30Hzは出ることがあるのですが、30Hzだとさすがにマウスカーソルなどが速く動くと見失うことがあります。いろんな物がカクカクと動いているのが見ていて辛い感じにもなってしまいます。
27MU67-Bには、そもそも、DisplayPort, Mini-DisplayPort, そして、HDMI 2.0の端子しかありません。HDMI 2.0は見た目では1.4と区別が付かず、要らない地雷を踏む可能性が高いので、安全パイで行こうとすると、DisplayPortを使わざるを得ません。DisplayPortが付いてないグラフィックカードを使っている人は、さっさと諦めて新しいグラフィックカードを買うべきです。
僕は、将来のDual 4K環境を視野に入れて、最低でもGeForce GTX 960が必須だと判断しました。
実際には、もうちょっと低いスペックの物でも良いですが、GTX 960だと、実売、25000円程度のものも結構あるので、その辺を狙えば良い買い物が出来る気がします。また、GTX 960は性能の割には準ファンレスの実装の物が多く、ファンが付いていても、負荷をかけない限り回らないみたいな物が多いです。静音厨の僕でも安心して買えるグラフィックカードですね。
僕は、Amazon Primeで明日来る奴っていう絞り込み条件で、最終的に、GIGABYTE GV-N960WF2OC-2GD-GAを選びました。
接続は、27MU67-Bに付属のDisplayPort -> MiniDisplayPortケーブルを使いました。
Per Monitor DPI
今まで Dual WQHD (2560x1440x2)の環境でデュアルディスプレイ環境を謳歌していたのですが、さすがに地雷かも知れない液晶を最初から2台揃えるのはリスクを感じるので、しばらくは、WQHD + 4Kというヘテロ環境で利用することにします。もう1台の液晶は、EIZO EV2736W-FSなので、表示品質というか見た目の落ち着きはそちらの方が高いです。
Windows 10では、Per Monitor DPIへの対応は結構良くなっていて、例えば、エクスプローラーやコマンドプロンプト(!)はPer Monitor DPI対応してます。その他、Microsoft Edgeなど、ストアアプリ系は基本的には大丈夫ですね。
下の写真は、Edgeで同じページを見ているのを左(96dpi)、右(4K/144dpi)で見比べている感じです。左は見慣れたMSゴシック、右側は、少しだけ太くてスムージングがかかっているのが分かると思います。Store系アプリは、基本的に画面をまたいだ瞬間に、ウィンドウ内のコンテンツが全て再描画/リフレッシュされる感じという風に言えば分かりやすいかも知れません。
一方、Google Chromeは全然ダメですし、Visual Studio 2015もダメな感じです。エディタでいうと、Sublime Text 3、ATOMともにダメダメです。Cygwinのminttyもダメ。つまり、この辺は割り切って、4K側の液晶で使わざるを得ません。Per Monitor DPI対応のエディタが欲しいです・・・。
ちなみに、minttyの代替としては、Remote Terminalという良いStoreアプリを発見しました。日本語入力は出来ないですが、Per Monitor DPIで快適な作業という意味では悪くないアプリです。
二つ以上ターミナル開こうとすると、ウィンドウ分離出来なくて辛いですけど。
・・・全体的に言って、Per Monitor DPIは、Store/WPFのアプリではない場合には、プログラムの構造を根本から見直さざるを得ないことが多く、古いアプリに対応を期待するのはおおよそ間違いだと思います。対応しきれません。実際、Office 2015でも全然対応できてない感じなのが悲しいところです。もう、新しい世代のアプリを探していくしかないのではないかと思っています。
10bit対応
さて、この液晶、さっきも書いたように、スペック上では、パネル自体は10bit(8bit+FRC)と書いてあります。FRCなので、あんまり期待しない方が良いのですが、DisplayPort/HDMIからの入力信号としては、10bit対応しているわけです。
それで、GeForceの設定を眺めていたら、なんと、今は、Quadroじゃなくても、10bit対応をONにできるではないですか!
そうすると、Photoshop CSで、10bit対応できるんじゃないかと見てみたんですが・・・おぉ、できる!
そして、Windows 10では、10bit対応を有効にしても、Desktop Composition、いわゆる、Aeroが無効になりません!素敵すぎる。まぁ、Windows 10でDesktop CompositionをOFFにする方が無理な気もしないではないですけど、数年前にはやりたくても全く出来なかったことが、今ならいとも簡単にできることに驚きました。
全体の感想
いやー満足度高いです。この値段でこの品質なら文句はないでしょう。
そのうちに、このLG製パネルベースに、EIZO辺りの会社が制御機構を追加してハイエンド4K液晶として販売開始してくれることを願わざるを得ません。