ThinkPad T440s、数日使ってみた感想

数日使ってみた感想を書いておくと、

  • ThinkPadとして期待していた物とは微妙に違う気がする
  • 新しいトラックパッドは慣れが必要(物理ボタンとの連携など)

という部分はある物の、全体として、かなり良くまとまった製品であると思います。液晶の品質が今までのThinkPadからするとずば抜けている事、バッテリーの持ちが驚異的であること、にも関わらず従来のTシリーズの重量から大きく変わらないばかりか、リアバッテリーを抜くという運用をすれば、X1 Carbonにも近い軽さまで到達できるなど、なかなかおもしろい機種だなぁと思います。

X1 Carbonの方がピーチスキンで質感が良いとか、薄くてカッコいいとかいろいろありますけど、一方で、メモリが8GBしかない、SSDが256GBしかない、そして、USB3.0が1ポートだけとか、薄すぎる性で受ける制約も少なからずありました。それからすると、T440sは、高級感はありませんが、隙がない造りだと思います。

そして、大きさとしては、14インチの大きさを求める人には、結局、厚さを許容できるかどうかという部分になると思うんですが、見た目ではX1 Carbonからすると暑く感じるんですが、実際の部分で言うと、特にケースに入れてしまうと、分厚さはあんまり変わらないとも言えます。重さもバッテリー分しか重くないと思えば、許容できる部分でしょう。

バッテリー

Haswellになった最大の意義が個々にあると思うんですが、ここのところ、外に出ることがほとんどなかったので、バッテリーに関しては未検証です。本当に二桁台のバッテリー持ちが実現できるのかは、今後、検証していきたい部分です。

はめ殺し型バッテリーに関しては賛否両論あるのでしょうが、X1 Carbonでも使っていてそんなに気になる部分ではなかったので、個人的には気になりません。むしろ、リアバッテリーをホットスワップできることを良しとするべきでしょう。

ACアダプタ

あまり注目される部分でもないのですが、45WのACアダプタは小さいです。薄くはないのが残念ではありますが、今までのThinkPadを使っていた人ならこの小ささ、軽さは驚く部分でしょう。どうしても薄いACアダプタが良ければ、LaVie Z用のACアダプタが利用できますし。

液晶

液晶に関しては文句の付け所はありません。Full HDの広さは想像できましたが、この発色の良さ、視野角の広さは、全く期待していなかっただけに驚きです。そして、いわゆるギラツキもほとんどありません。
逆に、解像度が高すぎて・・・という年代の方々は、フォントのサイズを大きくしましょう。もっとも、Windows 8.1に関して言えば、クリーンインストールしても、最初から150%のサイズになっていました。今は、液晶の物理サイズがOSから認識できるんでしょうか。

ThinkPadといえば悪い液晶の代名詞ではありましたが、正直なところ、このレベルの液晶を搭載していれば、ノートPCとしては文句の付け所はないでしょう。

もちろん、Tシリーズしては、ウルトラベイがなくなってしまったことや、メモリの上限が現状としては12GBであることなど、様々な割り切りがあることは間違いありません。ただし、これらはいろいろな時代の流れなんだなぁと感じる部分ではあります。

CD/DVDに関しては、個人的にも、最後に使ったのはいつだっけ???という。リッピングしてiTunesに取り込みたいという感じることはありますが、デスクトップでやればいいのと、そうじゃなくても、一家に一台だけUSBの外付けタイプのDVDドライブがあれば十分です。わざわざ、ノートパソコン本体に搭載する意味はありません。

HDD/SSD

HDDに関しては、標準で500GB HDDですが、2.5" 9.5mmまでは搭載できます。現在の2.5" 9.5mmであれば、2TBまでのHDDを搭載することが出来ます。SSDですら、1TBです。USB 3.0によって電源なしで外部HDDを接続できることを考えれば、もはや、セカンドHDDを搭載しないといけない理由は皆無(一部のVMオタクとかを除く)に近くなってきていると言えます。

メモリ

メモリに関しては、従来機種が16GBまで載っていたので確かにデグレードかもしれません。大容量のSO-DIMMが出ることを待つしかないですね。とはいえ、12GBで足りない人達にはいつまで経っても満足する環境は訪れないでしょう。
あと、デュアルチャネル動作できないとか意味分からないことを言う人達はタダのベンチマークオタクなのでこれもまぁ無視せざるを得ないでしょう。ベンチマーク取ってデュアルチャネルが死ぬほど効果を上げたというのはあんまり見ないですし。

CPU/GPU

CPU/GPUに関しても、もはや、普通の人には十分すぎるレベルです。3Dのゲームがやりたい人にはそもそもHaswellは要らないCPUな訳で、普通に作業をする人、コードを書く人程度にはこの程度の性能があれば十分です。

Windows 8

慣れです。Windows 7からスタートボタンがなくなって・・・なんていう人が結構居ますが、実のところ、スタートボタンなんて要らないでしょう。キーボード上で[Win]キーを押してアプリを検索するスタイルに慣れれば、どうという事はありません。
どうしても嫌なら、Windows 7にダウングレードしましょう。XPにまで戻る理由はどこにも存在しないと思います。

その他

実のところ、この世代のThinkPadからParts Lookupが著しく改悪されていて、実のところ、各パーツがどういう物なのかを知るのは結構難しくなっています。FRUの管理体制は、ここ1年ぐらいで大きく変わったみたいですね。

あと、気づいたのは、保証書のモデル番号が判子のような物で印字されているのに、逆にシリアルナンバーが印刷になっていたことです。少なくとも、X1 Carbonまでは逆でした。これは、モデル毎にシリアルナンバーをふる仕組みから、レノボで管理するすべてのプロダクトでシリアルナンバーを共有する仕組みに変更したのではないかと想像されます。

ドライバ供給の仕組みなども同様にいろいろと変更されているようで、ある意味では、製品と以外のサービスの部分の変更が多くあるのでしょうが、ThinkPadというブランドは、プロダクトというより、パーツ供給、ある程度のユーザーでのメンテナンスを認めるなどの商品保証のあり方、各OS向けのドライバ供給など、正しくProduct as a Serviceな部分にあると言っても過言ではないので、これらの部分の改悪が進むようだといろいろと残念な感じになってくると思います。トラックポイントが付いてるだけのタダのPCに成り下がらないようにして欲しいです。