Windowsプログラミングの極意

Windows プログラミングの極意 - 歴史から学ぶ実践的Windowsプログラミング! Raymond Chen著 株式会社クイープ訳 ISBN978-4-7561-5000-4(アフィリエイトじゃないよ。)

最初の項目が、「シャットダウンを実行するのに、[スタート]ボタンをクリックするのはなぜか」はお約束か。プログラマ向けの本じゃねーよって一瞬つっこみそうになる。

中身は面白い。プログラマとしては面白い昔話として読めるところと、あぁ、そんなことやっちまっているコードが僕のコードにもあるなぁと不安になる部分がある。しかしながら、誤訳が多すぎる気がする。誤訳のせいで意味がわかりにくくなっている部分が多数。笑ったのは、

・Round Clock
地域ウィンドウをテストするためのプログラム

という部分。Regionって、そっちじゃないよっていう話。まぁ、Win32プログラマ以外には笑えない下りです。
逆に言えば、Win32プログラマで、Regionの普通の意味を知らずに使っている人は多いだろうと思う。Win32プログラマにとって、Regionっていったら、「矩形じゃない領域」っていう意味しかないと思う。

450ページ近くあるけど、そのうち80ページはダイアログの話です。リソースがバイナリでどう表現されているかについて歴史的な経緯も混ぜつつ説明していて、正直、著者の人のパワーには恐れ入るけど、ちょっと退屈。

全体的に言えば、題名は間違っているのではないかと思う。おそらく、「よりよいWindowsプログラムを書くための知識」とかそんな感じかな。違うな、「現代Windowsプログラマの基礎知識」ぐらいが適当か。まぁ、いずれにしても中身はそこそこ面白いし、知識として役に立ちそうな部分は多いので、買う価値は十分にあります。